事故物件専門の不動産業者

事故物件とは、「訳あり」や「いわくつき」の不動産物件のことをいいます。

過去に殺人事件や自殺や孤独死があったり、火災や倒壊事故などがあった物件が当てはまります。他にも、住宅ローンが支払えずに競売となった物件や、近隣に暴力団事務所やカルト宗教団体などがある物件も含まれます。

ここでは、事故物件専門の不動産業者について解説していきます。

買取→売却の流れ

事故物件専門の不動産業者といっても、業務内容は一般的な不動産業者と何ら変わりはありません。所有者に依頼された物件を、購入希望者に紹介して売買契約を結び、収益を計上しています。

しいて言うならば、物件の所有者からの「買取」業務が多くなる点かもしれません。事故物件は、相場よりも30%から50%ほど安くなる傾向があります。しかも買取であれば、より安く物件を購入することが可能です。

安く買取した物件は、建て替えやリフォームを施した後に、売却物件として市場に出します。事故物件のため、購入者に対しての告知義務はありますが、それでも相場よりも安い価格で手に入るため、むしろ積極的に事故物件を購入する人もいるほどです。そのため、事故物件専門の不動産業者が成立するのです。

買取が多くなる理由

事故物件は、そのまま市場に出しても販売価格が安くなるだけでなく、購入希望者から敬遠される場合があります。そのため、処分に困った所有者から買取という形で不動産業者に売却されます。

自分たちで居住したり、賃貸物件として貸すことができれば良いのですが、大抵は手付かずのまま、固定資産税を支払うだけの物件となっていることが多いせいかもしれません。

事故物件専門の不動産業者の見つけ方

事故物件専門の不動産業者の見つけ方として、インターネットでの検索と、不動産業者からの紹介の2種類があります。

インターネット検索

東京や名古屋、大阪や福岡などの大都市圏の場合、事故物件専門の不動産業者を見つけやすい傾向があります。インターネット検索で「事故物件 買取」などで検索することで、事故物件の買取業者が表示されるでしょう。

物件の所有者が直接、買取依頼をすることで、不動産業者に依頼した場合に発生する仲介手数料がかからずに売却することができます。

不動産業者からの紹介

仮にネット検索で買取業者が見つかったとしても、売買に関する交渉は自身で行う必要があります。何度も現地に行く手間と時間がかかりますし、足元を見られてしまい、激安価格で買取される可能性もあります。

特に仕事や家庭の事情などでまとまった時間を作るのが難しい人の場合、不動産業者に依頼して、事故物件専門の不動産業者を紹介してもらう方法があります。物件の買取価格の交渉など、面倒な手続きを代わりにしてもらえるメリットがあります。

それぞれのメリットとデメリット

インターネット検索で事故物件専門の買取業者を見つけた場合、直接やり取りできるメリットがあります。仲介手数料がかからないこともメリットと言えるでしょう。

とはいえ、契約や価格の交渉では、法律や周辺相場についての知識や情報がないと、「何を言っているのかさっぱりわからない」ということにもなりかねません。

そのため、信頼できる不動産業者を選ぶことが前提となりますが、トータル的に見ると不動産業者からの紹介の方が、リスクは少ないのではないかと思われます。

事故物件を売却することの難しさ①

事故や事件などが発生し、一度事故物件となってしまいますと、周辺相場よりも評価額が減少することがほとんどです。しかも事故物件の場合。事故物件であることを隠して売却することはできません。

事故物件には事前の「告知義務」があるためですが、事故物件であることを知らせずに売却した場合、後から訴訟などで多額の賠償金を請求されるリスクがあるためです。

一般媒介よりも専任媒介契約を

事故物件を売却するために不動産業者に依頼する場合、媒介契約を結ぶことになります。1つの不動産業者だけと契約するのが専任媒介契約です。
※専属専任媒介契約という媒介契約もあります
一方で、複数の不動産業者と媒介契約を結ぶ契約を、一般媒介契約といいます。

一般媒介契約は、人気エリアの物件や、すでに購入希望者がいる場合に向いている契約です。そのため、事故物件の場合にはあまりオススメできません。

できれば、事故物件にあまり抵抗のない、あるいは得意としている不動産業者と専任媒介契約を結ぶ方が、売却できる確率が高まるのではないかと思われます。

事故物件の評価額

事故物件の評価額は、事故物件になる前よりも30%から50%ほど下がることが多いようです。人気エリアであれば、事故物件ということを踏まえた上で購入する人がいるかもしれません。

その一方で、あまり人気のないエリアの場合、なかなか売却できないということもあるようです。事故物件としての告知内容も理由のひとつではありますが、築年数や交通手段、周辺の環境といった点も大きく影響するためです。

事故物件を売却することの難しさ②

「事故物件を売却することの難しさ①」では、事故物件の売却をする際のポイントとして、「一般媒介よりも専任媒介契約を」と「事故物件の評価額」を紹介しました。②では、「秘密の売却」と「専門業者への買取」について解説していきます。

秘密の売却

事故物件の場合、近隣に秘密にした状態で売却することも考えられます。その場合、物件のチラシを新聞の折込に入れたり、ポスティングでチラシを近隣に配布することはありません。他にも、不動産業者の店頭や資料にて物件の内容が閲覧できなかったり、インターネットでの物件紹介をしないことも考えられます。

結果的に残った物件の広告活動には、不動産業者の顧客への紹介があります。インターネットの物件紹介はするかもしれませんが、かなり限定的な告知ということになるため、売却までの時間がかかる可能性があります。

専門業者への買取

事故物件の売却には、事故物件専門の不動産業者に買取をしてもらう方法があります。買取は一般的な物件の売却であっても価格が安くなってしまいますが、その分確実に売却できるというメリットがあります。

特に「訳あり」や「いわくつき」の事故物件の場合、購入希望者がなかなか現れないこともあり得ます。相続税などの関係で可能な限り早急な売却を希望する場合、買取を検討することも現実的なやり方と言えるでしょう。

中には最初に売り出してから、一定期間が経過しても売却できない場合、保証としての買取をしてもらう契約方法もあります。

相続した事故物件の売却

事故物件の中には、故人から遺族への相続によるものもあります。相続した場合、相続が発生した日から10ヶ月後に相続税の支払期限がやってきます。他にも、物件を所有している間は、固定資産税を支払い続ける必要があります。

相続税と固定資産税

相続した不動産の評価額は、路線価を規準として算定されます。路線価とは、物件に面している道路ごとの土地の評価額です。固定資産税は土地と建物それぞれに対して発生します。おおよそですが、路線価は市場価格の80%、固定資産税評価額は市場価格の70%となることが大半です。

事故物件の場合、税務署に事故物件であることを報告し、相談することで、固定資産税評価額が10%程度低くなると言われています。ただし、各税務署や物件の状況によって違いがあるため、必ずしもそうなるとは限らないようです。

相続税の分納や物納

相続税は、現金一括払いが基本です。ただし、事情によっては、何年かに分割して支払う「分納」や、不動産などを担保にする「物納」という納め方が適用されることがあります。一括払い→分納→物納の順序で考慮されます。そのため、相続税額を捻出する目的で、相続した事故物件を売却するケースもあります。

とはいえ、相続発生後10ヶ月以内という期限が設定されていることから、通常の売却以外にも、事故物件専門の不動産業者に買取をしてもらう方が、早めに現金化できるかもしれません。

他には建物を解体して、一旦駐車場やレンタル倉庫などにした後に、時間を置いてから売却する方法もあります。